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荷崩れの原因と防止対策|トラック・倉庫で崩れを防ぐ方法を解説

物流では各工程で荷崩れが発生しやすい

物流工程で荷崩れが発生しやすい理由は、フォークリフトでの移動やトラックでの運搬時に強い横向きの力がかかり、荷物が横滑りしやすいためです。また、荷物の積み方によっても荷崩れは起こりやすくなります。荷崩れを防ぐには、主な原因を知り、適切な対策を講じることが重要です。

荷崩れ防止対策が重要な理由

荷崩れは、商品の破損や配送遅延だけでなく、作業者のけがや重大事故につながるおそれがあります。特に物流現場では、荷物の積み込み・積み下ろし、フォークリフトでの移動、トラック輸送など、荷役作業に関わる場面で事故リスクが高まります。

厚生労働省の資料をもとにした安全マニュアルでは、陸運業における休業4日以上の死傷災害のうち、約7割が荷役作業に関係する災害とされています。荷物を扱う工程では荷崩れや落下、転倒、接触などのリスクがあるため、積み付け方法や固定方法を見直すことが重要です。

厚生労働省「労働災害原因要素の分析」から作成

出典:厚生労働省「労働災害原因要素の分析」(平成18年陸運業)をもとに作成

荷崩れが一度起これば、影響は商品の破損だけにとどまりません。再配送による配送遅延、破損品の補償や賠償、納品先からの信用低下といった損失が連鎖します。さらに走行中に積荷が落下すれば、第三者を巻き込む重大事故にも直結します。だからこそ、原因を正しく把握したうえで、積み付け・固縛・運転の各工程で対策を講じることが重要です。

荷崩れを防ぐには、荷物の形状や重量に合わせた積み付け、ストレッチフィルムや固定ベルトによる固縛、滑り止めシートの活用などが有効です。また、積み付けパターンを安定させたい場合は、パレタイザーの導入によって作業品質のばらつきを抑えやすくなります。

荷崩れの主な原因

過積載による荷物の変形

トラックの最大積載量を超える荷物を積み込もうとすると、荷台や車両いっぱいに荷物を入れることになります。無理な積み込みは荷物に負荷がかかり、変形の原因になることもあります。荷物が変形して隙間が生じると、バランスが崩れて荷崩れを起こしやすくなります。また、過積載は荷台や車両にも負荷がかかり、走行中の荷崩れリスクを高めるため絶対にやめましょう。

走行中に荷崩れが発生すると、道路に荷物が飛び出して大きな事故に発展しかねないため大変危険です。

偏荷重による転倒

偏荷重とは、コンテナ内の積荷が前後または左右のいずれかに偏っている状態です。1個あたりの重量が大きい機械や鋼鉄商品、長尺物を複数積むときに重心が偏りやすいため注意しましょう。トラックが横転する危険性もあります。

偏荷重が生じる原因としては、積み方や不十分な固縛、運転中の荷崩れが挙げられます。特に荷崩れを起こしやすいのは、長いS字カーブや曲がり角などの走行時、もしくは急ブレーキで衝撃や遠心力がかかったときです。衝撃や遠心力がかかると、荷物が横滑りや転倒を起こして荷崩れしやすくなります。

輸送時の横滑り

軽いカートンどうしや正方形のカートンを積み重ねて輸送する際は、摩擦係数が低く横滑りしやすいため、側面あおりやロープ掛けなどの対策が必要です。対策が不十分だと、長いS字カーブや曲がり角を走行する際に遠心力で荷物が横滑りし、荷崩れが発生しやすくなります。

また、鋼製品や鉄板類、工作機械などの裸貨物を輸送する場合も、十分な強度のある固縛が欠かせません。固縛強度が不足していると、急ブレーキ時の衝撃やカーブ走行時の遠心力によって横滑りが発生し、運転席を押しつぶしたり路上に積荷が落下したりする危険性があります。

荷崩れを防ぐための対策4つ

荷崩れ対策は、大きく分けて次の4つです。まずは全体像を押さえましょう。

対策主な手段主な効果向いている荷物・場面
積み付けを工夫するレンガ積み・窓積み、重い荷物を下に積む重心の安定・変形の防止段ボール、サイズの異なる混載
しっかり固定するストレッチフィルム、固定ベルト、止め木、エアバッグ横滑り・偏荷重の防止不定形の荷物、隙間ができる積載
滑り止めを使う滑り止めシート、滑りにくいパレット、荷崩れ防止剤段と段の横ずれの防止樹脂・金属パレット、振動の大きい輸送
運転・荷役を改善する急ブレーキ・急ハンドルの回避、周囲の安全確認衝撃の低減トラック輸送、構内のフォーク搬送

荷物の形状に合った方法で積み付ける

荷崩れを防ぐには、荷物の形状に合った積み付けが重要です。形状に合わせて適切に積み付けると、変形や転倒が起こりにくく、荷崩れのリスクが低くなります。

積み付けの方法には交互列積みや棒積み、スプリット積み、ピンホール積みなどがありますが、荷崩れを起こしにくいのはレンガ積みと窓積みです。レンガ積みは各段で180度ずつ向きを変えて互い違いに積む方法で、窓積みはレンガ積みの横向き部分を2列に増やした積み方です。どちらも荷崩れしにくく、すべての荷物が外側から見えるため検品しやすいというメリットがあります。

パレタイザーを使うことで適切な積み付けが可能に

荷崩れの防止と積載効率の向上を同時にかなえる方法として、パレタイザーの導入もおすすめです。パレタイザーには積み付けパターンがプログラムされており、機種によっては現場で扱う荷物に合わせて積み付けパターンを設定できます。また、積み付けの自動化により省力化や負担軽減を図れるため、人手不足が深刻化している物流業界では大きなメリットといえます。

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荷物をしっかり固定する

適切に積み付けても、走行中に重心位置が変わり、偏荷重による荷崩れを起こす可能性があります。そのため、荷崩れが起きないようにしっかりと固定することが大切です。

前後左右に隙間が生じる場合は、止め木を使って荷ずれを防ぎましょう。積荷の長さが5m以上ある場合は、前後と中間の3点(6か所)を固縛します。積荷によっては、雨水に濡れるのを防ぐためにシートを掛けることも必要です。その際は、走行中にシートが膨らんだりはがれたりしないよう、十分に固縛してください。

また、シートを掛けるだけでは固縛効果が薄いため、シート掛けの前後に荷崩れ防止のロープ掛けを行いましょう。

ストレッチフィルムや固定ベルトなどで固定

積み付け後の荷物を固縛するアイテムには、ストレッチフィルムや固定ベルトなどがあります。

ストレッチフィルムは輸送時の荷崩れ防止として広く使われており、荷物を巻く回数で強度を調整できます。不定形な荷物にもフィットし、大小さまざまなサイズに対応できる柔軟性と利便性が魅力です。一方で、納品後は廃棄されるため、環境配慮の観点からストレッチフィルムを使わない動きも広まりつつあります。

固定ベルトは、荷崩れしやすい部分に使うことで優れた荷崩れ防止効果を発揮します。繰り返し使えるため、資源を無駄にせず輸送できます。

防振素材・エアバッグを活用する

トラックなどでの輸送時の荷崩れを防ぎたいときに活躍するのが、防振素材やエアバッグです。防振素材は輸送中の振動による荷物の転倒リスクを軽減します。エアバッグは積荷の隙間埋めに使え、輸送中の荷崩れや衝撃を防ぎます。

滑りにくいパレット・滑り止めを使用する

金属製・プラスチック製のパレットは摩擦係数が低いため、フォークリフトでの輸送中に滑りやすく、不安定になって荷崩れが発生することがあります。滑りにくいパレットは、輸送中の荷崩れを防ぐのに有効です。ただし、大量のパレットを日常的に使用している場合、総入れ替えはコスト面から現実的ではないでしょう。

パレットの横滑りを防ぐには、フォークリフトのツメ自体の滑りやすさにアプローチする方法もあります。フォークリフト用の滑り止めアタッチメントを使うことで、高い荷崩れ防止効果が期待できます。

一段ごとに滑り止めシートをいれる

滑り止めシートは摩擦係数や粘着力の大きい素材を使ったアイテムで、滑りやすいパレットの固定に役立ちます。特に、輸送時の横滑りによる荷崩れを防ぐのに有効です。再利用できるためコスト削減につながり、各パレットの間にシートを挟むだけで扱えます。

荷崩れ防止用の接着剤を塗布する

専用の荷崩れ防止剤は、パレタイザーでの積み付け時に水溶性接着剤を塗布して荷崩れ防止効果を発揮するアイテムです。横滑りに強いため、フォークリフトやトラックでの輸送時の振動や傾きによる荷崩れを防げます。地震などによる荷物の倒壊・損傷も防げ、作業者の安全確保にもつながります。

運転方法を改善する

重量物を輸送するトラックやフォークリフトの走行中は、積荷に振動や衝撃が加わり、地震が連続して発生しているような状態になります。走行中の振動や衝撃を地震に例えると、静かにアクセルを踏んでゆっくり発進した場合でも震度2、急発進した場合は震度7に相当する揺れが積荷にかかるといわれています。

輸送中の荷崩れを防ぐには、積荷へ衝撃を与えないよう、運転方法にも注意が必要です。

フォークリフトでは周囲の安全確認をしながら運転

フォークリフトは狭い場所でも操作できるよう小回りがきく構造のため、急ハンドルを切ると車体が大きく振られます。積荷や車体が横転する可能性があるため、急ハンドルを切る事態にならないよう、周囲の安全確認をしっかり行いながら運転しましょう。特に荷物を高く積み過ぎていると、前方で作業している人や歩行者が視界に入りにくくなるため注意が必要です。

急ブレーキ、急発進などを避けて衝撃を減らす

トラック走行中の急ブレーキや急発進、急旋回は積荷に大きな衝撃を与え、積荷の変形や固縛のゆるみを引き起こします。どれだけ丁寧に積んでいても、急ブレーキや急発進の衝撃で荷崩れは発生しやすくなります。急な操作はなるべく避け、安全運転を心がけましょう。

倉庫・保管時の荷崩れと地震への備え

荷崩れは輸送中だけでなく、倉庫やラックでの保管中にも発生します。特に地震の揺れは、平積みや高積みの荷物を一気に崩す原因になります。

保管時の対策としては、ラックへの落下防止バーやネットの設置、段積み高さの制限、重い荷物を下段に置く配置の徹底が有効です。パレットでの保管でも、輸送時と同様にストレッチフィルムや滑り止めシートを併用すると、振動による横ずれを抑えられます。

荷崩れ防止に関わる主な法令・ルール

荷崩れ防止は安全管理上の努力目標ではなく、複数の法令で求められる事項です。違反は罰則や行政処分の対象になりえます。代表的なものを押さえておきましょう。

道路交通法(積載の制限・積載方法)

積載物の重量・大きさ・積載の方法が定められており、積荷が転落・飛散するおそれのある積み方は禁止されています。固縛が不十分な状態での運行は、違反となるおそれがあります。

貨物自動車運送事業法・輸送安全規則

運送事業者には、過積載や偏荷重を防ぎ、輸送の安全を確保する措置が義務づけられています。荷崩れ防止も、この安全確保の一環に含まれます。

労働安全衛生法・労働安全衛生規則

事業者には、荷役作業に従事する労働者の安全を確保する義務があります。積み込みや積み下ろし時の荷崩れ・落下を防ぐ措置も、この義務に含まれます。

荷崩れ防止チェックリスト

出荷前・積み込み時に確認したいポイントをまとめました。現場で印刷してご活用ください。

  • 最大積載量を超えていないか(過積載になっていないか)
  • 重い荷物・硬い荷物を下に積んでいるか
  • 棒積み(同じ向きの積み上げ)になっていないか
  • 荷物がパレットからはみ出していないか(オーバーハングの有無)
  • 前後左右の隙間を止め木やエアバッグで埋めているか
  • ストレッチフィルムや固定ベルトで固縛しているか
  • 滑りやすいパレットに滑り止めシートを挟んでいるか
  • 長尺物(5m以上)は3点6か所で固縛しているか

荷崩れ防止に関するよくある質問

荷崩れが起こる主な原因は何ですか?
過積載による荷物の変形、偏荷重による転倒、輸送時の横滑りが代表的な原因です。加えて、棒積みなどの積み方の不備や、急ブレーキ・急カーブの衝撃も荷崩れを招きます。
荷崩れを防ぐ基本的な対策を教えてください。
荷物の形状に合った積み付け、ストレッチフィルムや固定ベルトでの固縛、滑り止めシートの活用、急な操作を避ける運転の4つが基本です。大量に積む場合はパレタイザーの導入も有効です。
荷崩れは法律で規制されていますか?
道路交通法、貨物自動車運送事業法・輸送安全規則、労働安全衛生法などが関係します。違反すると、罰則や行政処分の対象になる場合があります。
パレタイザーは荷崩れ防止に役立ちますか?
積み付けパターンを均一に再現できるため、人手によるばらつきや棒積み・オーバーハングを防ぎやすくなります。省人化と品質安定を同時に実現できます。

生産性を向上させたい場所から選ぶ!
おすすめパレタイザー3選

生産現場や物流センターで自動化が進む中、ロボットパレタイザーの導入は効率化の鍵となります。しかし、導入において、どの工程でどの程度の生産性向上が期待できるかを具体的に確認することが重要です。そこで、生産性向上の観点でおすすめのロボットパレタイザーを3つご紹介します。

機器1つで最大5人分の労働力(※)
荷積みの生産性を安定させる

パレタイジングロボット
PA-20/PA-40/PA-50

(メーカー:YUSHIN(旧:ユーシン精機))

YUSHIN(旧:ユーシン精機)
引用元HP:YUSHIN(旧:ユーシン精機)公式サイト
(https://www.yushin.com/ja/products/detail/pa.html)

特徴

  • 最大1時間500個の運搬力。四方向すべてにパレット搬送路が設置が可能で、生産効率の良い配置を実現。
  • 誰にでも操作しやすい機能性の高いコントローラ。位置補正機能もあり、ワンタッチでパターン変更も可能
※...人によるパレタイズの生産性を1時間に約100〜150個と仮定として算出。

少種・大量生産のライン
コンベア全体の生産性向上

フジエース
袋用

(メーカー:不二技研工業)

不二技研工業
引用元:不二技研工業
(https://fujigiken.racms.jp/paretaiza/)

特徴

  • 米国ベーカリー規格に準じ、大手製粉メーカーの基準を満たす袋用の機械式パレタイザー
  • 国内外で1600台の納入実績があり、400台が稼働中。(2021年9月公式HP確認時点)

過酷な環境でも耐えうる
防塵・防滴の安定した稼働

MOTOMAN-HC30PL
6軸垂直多関節

(メーカー:安川電機)

安川電機
引用元:安川電機
(https://www.e-mechatronics.com/product/robot/palletizing/lineup/hc30pl/spec.html)

特徴

  • 防じん・防滴仕様で、塵や埃、液体への対環境性を考慮した半導体や医薬品の製造現場におすすめ。
  • 6軸垂直多関節ロボットで作業範囲が広いため、どんな高さのパレットにも対応できるのが特徴。

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