パレットパターンとは?積み方7種類の特徴と崩れにくい選び方

パレットパターンとは

パレットパターンとは、パレットに荷物を積むときの並べ方のことです。いくつかの種類があり、それぞれに特徴やメリットがあります。適切なパレットパターンを選ぶことで、荷物を安定して積め、積載効率の向上が見込めます。

物流業界ではさまざまな形の荷物を扱うため、積み方に工夫が必要です。複数のパレットパターンを把握していれば、荷物の種類や状況に応じてパターンを組み合わせ、荷崩れしにくいパレタイズができます。

荷崩れの原因・棒積みとオーバーハングの対策

荷崩れを起こす原因は、大きく分けて「横の力」と「縦の力」の2つです。横の力とは横揺れのことで、フォークリフトでの移動やトラックでの運搬の際には強い横向きの力が必ず発生します。次に注意したいのが縦の力、すなわち重力です。

縦の力で一番下の段ボールが潰れてしまうと、どれだけ横の力に強い積み方をしても全体のバランスが崩れてしまいます。荷崩れ防止のため、棒積みとオーバーハングに注意しましょう。

棒積みとは、同じサイズの荷物を同じ向きに重ねる積み方です。横からの力に弱く、少しの衝撃で簡単に荷崩れを起こします。オーバーハングとは、荷物の角がパレットや下の荷物からはみ出している状態のことです。はみ出した部分が重力や上の荷物からの圧力で潰れやすく、そこから全体のバランスに影響して荷崩れにつながります。

オーバーハングは段ボール箱の強度低下につながる

オーバーハングは、荷物がパレットの外側にはみ出している状態です。見た目にはわずかなはみ出しでも、下段の箱にかかる力の伝わり方が変わり、段ボール箱の圧縮強度が低下する可能性があります。

段ボール箱の圧縮強度に関する研究では、パレットから箱がはみ出す量が増えるほど、はみ出していない箱と比べて耐荷重が低下する傾向が示されています。特に、箱の角が外側にはみ出す斜め方向のオーバーハングでは、片側だけのオーバーハングよりも強度低下が大きくなりやすいとされています。

オーバーハングが段ボール箱の圧縮強度に与える影響

オーバーハングと強度低下率分析

出典:Applied Sciences「Estimation of the Compressive Strength of Cardboard Boxes Including Packaging Overhanging on the Pallet」をもとに作成

そのため、パレタイズ時は荷物の角や側面がパレットからはみ出さないように積み付けることが重要です。パレットサイズに対して荷物の寸法が合わない場合は、パレットパターンを見直したり、隙間を内側に寄せたりすることで、荷崩れのリスクを抑えやすくなります。

特に、パレットの外側へ向かってオーバーハングしている状態は、荷物の重心が外側にずれて崩れやすくなるため注意が必要です。荷崩れを避けるには、棒積み・オーバーハングにならないようパレットパターンを活用することが重要になります。

パレットサイズと積み付けの基本

日本で最も普及しているのは、1100mm×1100mmの一貫輸送用平パレット(通称:いちいちパレット)です。荷物の寸法がパレットに合わない場合は、無理にサイズを合わせるのではなく、隙間を内側に寄せてオーバーハングを避けることが荷崩れ防止の基本です。はみ出しは、見た目がわずかでも下段の段ボールの圧縮強度を下げ、重心を外側にずらします。

パレットパターンの種類

パレットパターンには主に7つの種類があります。まずは特徴を一覧で比較してから、個別に見ていきましょう。

パターン積み方の特徴横の力への強さ積載効率向いている荷物
ブロック積み(平積み)全段を同じ向きで積む弱い高い同一サイズ。要・固縛
交互列積み(インターロック)一段ごとに90度回転やや強い高い正方形に近い荷物
ピンホール積み(風車形)風車状に縦横を組む強いやや低い長方形。冷凍・冷蔵貨物
ダブルピンホール積み隙間を2か所つくる強い高い長方形。効率を重視する場合
レンガ積み一段ごとに180度回転強い高い倉庫納品の基本。検品しやすい
スプリット積み内側に隙間を作り180度回転強い縦横の長さが異なる荷物
窓積みレンガ積みの横向きを2列に強いカゴ車・正方形でないパレット

※「横の力への強さ」は、同じ向きで積む棒積み(ブロック積み)を基準とした相対評価です。

ブロック積み

ブロック積みは、ブロックのように荷物を並べて積み上げる方法で、平積みとも呼ばれます。積み方がシンプルなため積載効率が高く、荷物をまとめて取り出せるのがポイントです。一方で棒積みでもあるため横からの力に弱く、フォークリフトやトラックで運搬する際に荷崩れを起こす可能性があります。

ブロック積みで荷崩れを防ぐには、ストレッチフィルムやラッシングベルトで固定する対策が必要です。

交互列積み

ブロック積みを応用したパレットパターンで、一段ごとに向きを90度変えて積み上げるのが特徴です。インターロック積みとも呼ばれます。ブロック積みの弱点である横向きの力に比較的強く、荷崩れしにくいのがメリットです。ただし、互い違いにしたときに縦・横の長さが合わない荷物には使えず、1段に並べたときに全体の形が正方形になるような、一定サイズの荷物にしか適用できないというデメリットもあります。

ピンホール積み(風車形積み付け/ピンホイール積み)

ピンホール積み(風車形積み付け)は、長方形の段ボールを積むときに使うパレットパターンで、風車の形のように縦横を組み合わせて積むのが特徴です。中央に空気の通り道があるため、温度管理が必要な冷凍・冷蔵貨物の積み付けにもよく使われます。

横向きの力に強いというメリットがある一方で、中央に隙間ができるぶん積載効率が下がるのが難点です。

ダブルピンホール積み

ダブルピンホール積みは、ピンホール積みを応用したパレットパターンで、1つの段に隙間が2つできるのが特徴です。ピンホール積みに比べて積載効率が高く、荷物とパレットの大きさによっては、ほかの積み方よりも多く積めます。

ただし、積み方が複雑なため、手作業では作業効率がかなり悪くなるのがデメリットです。多少の手間をかけてでもパレットの積載効率を上げたい場合に適しています。

レンガ積み

レンガ積みは、一段ごとに荷物の縦と横の向きを変えて積む方法です。棒積みにならないよう、段を重ねるごとに向きを180度変えて積み上げます。多少の振動では荷崩れしないため、荷崩れ防止に効果的なパレットパターンです。外側から荷物の側面を確認できるので検品しやすく、倉庫へ納品する際の基本的な積み方でもあります。

スプリット積み

スプリット積みは、形状の異なる荷物をレンガ積みの要領で積み上げる方法です。

横向きの荷物を積み付ける際に隙間(スプリット)をあけ、各段の向きを180度変えながら積むことで安定性を保つのが特徴です。パレットの外側に隙間をつくると支えがなくなりオーバーハングの状態になるため、内側に隙間をつくるのが荷崩れを防ぐコツです。

スプリット積みは、主に段ボールの縦横の長さが異なる場合や、パレットの形状が限られる場合に活用されます。

窓積み

窓積みは、レンガ積みを応用したパレットパターンで、横向きの部分を2列に増やすのが特徴です。カゴ車や正方形ではないパレットに積み付ける場合などに用いられます。荷物の側面が外側から見えるため、レンガ積みと同様に検品しやすいのがメリットです。

パレタイズ作業における荷物の積み方

何回し・何段切りとは

物流現場では、ブロック積みやレンガ積みといったパレットパターンのほかに、「○回し○段切りで」という積み方の指示があります。○には数字が入り、○回しは1段に置く荷物の数、○段切りは同じ向きで積む段数を示します。

たとえば4回し2段切りの場合、1段に置く荷物は4個で、同じ向きで2段重ねた後に向きを変えるという指示になります。○回しと表現するのは、段数が変わるごとに積み方のパターンが回転しているように見えるためです。向きを変えるのは、同じ向きで積み続けると不安定になり、荷崩れの原因になるからです。

よく使う「何回し」の例

呼び方1段に置く個数よく使う場面
4回し4個サイズの大きい荷物。最も基本的な積み方
5回し5個長方形パレットに大きめの荷物を積む場合
8回し8個4回しの1個を2つに分けた、中サイズの荷物

種類が異なる荷物を積むときのポイント

重いものを下に積み、最上部の軽い荷物は落下を防ぐ

柔らかいものを下に置き、上から重いものを積むと、下の荷物が潰れて荷崩れの原因になります。そのため、サイズや形状がバラバラの荷物を混載する場合は、重いものや硬いものを下にして積むのが基本です。

ただし、上に載る荷物が軽すぎると、強風や横揺れで落下する可能性があります。その場合は、軽い箱が潰れない程度の重さの荷物を最上部に積むとよいでしょう。最上部の荷物が重しとなり、軽い荷物の落下を防いでくれます。

ラップ巻きをする

サイズや形状が異なる荷物を積む際は、運搬時の振動や揺れによる荷崩れを防ぐため、最後にラップ巻きをするのが基本です。ラップには、粘着性・伸縮性のある梱包材を使います。ただし、ラップの内部で荷崩れが起きると意味がないため、重いものを下に積む、もしくは重い荷物を最上部に積むといった工夫が必要です。

パレタイザーによる積み付けで負担を減らす

荷物に応じたパレットパターンを選ぶことは、荷崩れ防止に効果的です。ただし、パレットパターンによっては積み方が複雑で、手作業では積載効率が悪くなることもあります。また、人力で荷物を積む作業は肉体的な負担が大きいというデメリットもあります。

人手不足が課題となっている物流業界では、現場の負担を軽減するためにパレタイザーの導入を検討したいところです。パレタイザーには積み付けがあらかじめプログラムされており、機種によってはSIerが現場に合わせてパレットパターンを設定することも可能です。常に現場に適した積み付けを選べ、パレタイジング作業の負担軽減に貢献します。

条件・目的別にパレタイザーを選ぶ

パレットパターンに関するよくある質問

パレットパターンとは何ですか?
パレットに荷物を並べるときの並べ方のことです。ブロック積み・交互列積み・レンガ積みなど複数の種類があり、荷物の形状や用途に応じて使い分けます。
荷崩れしにくいパレットパターンはどれですか?
一段ごとに向きを変えるレンガ積み・窓積み・交互列積みが崩れにくいパターンです。同じ向きで積む棒積み(ブロック積み)は横の力に弱く、振動で崩れやすくなります。
「何回し何段」とはどういう意味ですか?
「何回し」は1段に置く荷物の数、「何段切り」は同じ向きで積む段数を指します。たとえば4回し2段切りは、1段に4個を2段積んでから向きを変える積み方です。
オーバーハングはなぜ避けるべきですか?
荷物がパレットからはみ出すと、はみ出した部分や下段の箱の圧縮強度が低下し、重心も外側にずれて崩れやすくなるためです。隙間は内側に寄せて積み付けます。

生産性を向上させたい場所から選ぶ!
おすすめパレタイザー3選

生産現場や物流センターで自動化が進む中、ロボットパレタイザーの導入は効率化の鍵となります。しかし、導入において、どの工程でどの程度の生産性向上が期待できるかを具体的に確認することが重要です。そこで、生産性向上の観点でおすすめのロボットパレタイザーを3つご紹介します。

機器1つで最大5人分の労働力(※)
荷積みの生産性を安定させる

パレタイジングロボット
PA-20/PA-40/PA-50

(メーカー:YUSHIN(旧:ユーシン精機))

YUSHIN(旧:ユーシン精機)
引用元HP:YUSHIN(旧:ユーシン精機)公式サイト
(https://www.yushin.com/ja/products/detail/pa.html)

特徴

  • 最大1時間500個の運搬力。四方向すべてにパレット搬送路が設置が可能で、生産効率の良い配置を実現。
  • 誰にでも操作しやすい機能性の高いコントローラ。位置補正機能もあり、ワンタッチでパターン変更も可能
※...人によるパレタイズの生産性を1時間に約100〜150個と仮定として算出。

少種・大量生産のライン
コンベア全体の生産性向上

フジエース
袋用

(メーカー:不二技研工業)

不二技研工業
引用元:不二技研工業
(https://fujigiken.racms.jp/paretaiza/)

特徴

  • 米国ベーカリー規格に準じ、大手製粉メーカーの基準を満たす袋用の機械式パレタイザー
  • 国内外で1600台の納入実績があり、400台が稼働中。(2021年9月公式HP確認時点)

過酷な環境でも耐えうる
防塵・防滴の安定した稼働

MOTOMAN-HC30PL
6軸垂直多関節

(メーカー:安川電機)

安川電機
引用元:安川電機
(https://www.e-mechatronics.com/product/robot/palletizing/lineup/hc30pl/spec.html)

特徴

  • 防じん・防滴仕様で、塵や埃、液体への対環境性を考慮した半導体や医薬品の製造現場におすすめ。
  • 6軸垂直多関節ロボットで作業範囲が広いため、どんな高さのパレットにも対応できるのが特徴。

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