工場におけるパレタイザーの選び方
さまざまなメーカーがパレタイザーを取り扱っており、それぞれでスペックや特徴が異なるため、どのロボットを選べばいいのかわからないと悩んでいる担当者も多いでしょう。ここでは、自社工場に合ったパレタイザーを選ぶポイントや避けたいメーカーの特徴などについて解説します。
自社工場に導入すべきパレタイザーを選ぶポイント
自社工場に合ったパレタイザーを選ぶポイントは「形状よりも機能を優先」「工場内の環境や配置を観察する」「自社工場での運用イメージをもつ」の3点です。それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
形状よりも機能を優先
パレタイザーを導入するメリットは、作業の効率化と省人化の実現です。これまで人力で行っていた業務をパレタイザーに置き換えることで、よりスピーディーに作業を行うことが可能になります。ただし、自社工場のニーズとパレタイザーの機能がマッチしていないと、期待していた効果やメリットを得られず、せっかく導入したロボットを持て余すことにもなってしまいます。
たとえば省スペースを優先して選んだ場合、ロボットの可搬質量のスペックが低くて取り扱っている荷物の重量に対応できない、または取り扱える荷物に制限があるといったことになりかねません。
ロボットは導入することがゴールではなく、現場が抱えている課題を解決できるかどうかが重要になります。そのため、まずは現場が抱えている課題や必要としている機能を把握し、そのうえで自社に合った機能が備わっているロボットの情報を収集・検討しましょう。
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工場内の環境や配置を観察する
ロボットを導入するとなると、生産ラインを停止する必要があります。稼働停止による損失を少しでも抑えるには、工場内の環境や配置を観察して把握することが大切です。工場内の環境や配置を考慮しないまま選んでしまうと、工場のレイアウトの変更が必要になる場合があり、そうなると工場全体の生産性に影響を及ぼしかねません。
工場への導入実績の多いメーカーなら、自社工場内の環境や配置に合わせてより適切なロボットを提案してくれます。そのため、自社工場の環境に合ったロボット選びに迷ったら、さまざまなメーカーに相談して対応や提案力を比較してみるのもおすすめです。
自社工場での運用イメージをもつ
自社工場に合ったロボットを導入するには、どのように運用していくのかをイメージすることも大切です。たとえばロボット導入によって業務効率の改善を図りたい場合、搬送ロボットやコンベアなどの周辺設備と連携させることで作業効率が期待以上に高まる可能性があります。
ただ、どのロボットを選ぶべきか分からないという担当者にとって、自社工場での運用をイメージするのは難しいでしょう。また、導入後の運用はイメージできても、予算の都合で叶えられないこともあります。自社工場にとってより適したロボットやシステムを検討するには、パレタイザーに詳しいメーカーに相談してアドバイスをもらうのが良いでしょう。
選んではいけないメーカーはある?
ロボットを安定して長期運用していくには、メーカーのメンテナンス体制が重要になってきます。ロボットの開発事業から撤退しているメーカーの場合、補修部品の在庫が切れてしまうとメンテナンスが困難になってしまうこともあります。そうなると、償却前にロボットを買い替えるということになりかねず、余計なコストが発生してしまいます。
そのため、ロボットを選ぶ際は、メーカーが現在でもロボット開発に取り組んでいるかどうか、補修部品の在庫が十分に確保されているかどうかもあわせて確認しておくことをおすすめします。
工場におけるパレタイザー導入事例
Kyoto Robotics
筆記具の開発・製造をメインに行っている工場に、入出庫作業を自動化するKyoto Roboticsのパレタイザーシステムを導入した事例です。
ロボットシステムの導入に至ったのは、人力が主流の物流を自動化して、今後予想される働き手不足の時代を乗り切るためです。Kyoto Roboticsが提案したフレキシブル パレ/デパレロボットシステムは、1台で入庫作業と出庫作業の両方を自動化できるのが特徴です。
パレットからの積み下ろし、保管棚への収納までワンストップで対応。導入したメーカーは入出庫業務にかかっていた人員を半減できる見込みとなりました。また、フレキシブル パレ/デパレロボットシステムには上面が完封されていない通函を把持できるハンドが取り付けてあるので、導入メーカーでは、さまざまな大きさの通函を自動で判断して取り扱ってくれることにも大きなメリットを感じているそうです。
※参照元:Kyoto Robotics公式サイト
https://www.kyotorobotics.co.jp/case/パイロットインキ様
富士エース
関東から九州にかけて拠点を展開する会社の物流センターにおいて、富士エースのロボットパレタイザーを導入した事例です。
導入したロボットパレタイザーの強みは、搬送ラインに次々と流れる商品をロボットアームで高速かつフレキシブルに仕分けできる点です。限られたスペースで大量の商品を迅速かつ正確に仕分けし、業務効率は飛躍的に向上しました。ロボットパレタイザーを導入したことで人とロボットの協業体制が構築され、庫内作業の省人化・効率化に大きく貢献する結果となっています。
※参照元:シモハナ物流公式サイト
https://shimohana.com/facility/robot_palletizer/
DAIFUKU
洋菓子を製造・販売している工場では、旧本社工場の老朽化に伴って本社機能を兼ね備えた工場を新設しました。工場内にDAIFUKUのパレット自動倉庫をはじめ、高速搬送台車やパレタイズロボットを導入し、生産ライン直結型の製品保管システムを構築。生産能力が増強し、さらに製造後の工程の自動化によって物流フローが効率化しました。
供給体制のさらなる充実化を図ることができ、今後の需要増加への対応力も備えています。
※参照元:DAIFUKU公式サイト/株式会社香月堂 様
https://www.daifuku.com/jp/solution/casestudy/case006/
Mujin
Mujinが提供する通い箱ハンドリング知能ロボット2台とAGV(無人搬送車)を31台導入し、工場内物流を自動化した事例です。
通い箱ハンドリング知能ロボットによって、50種類以上の通い箱の混載段バラシや移載が可能になりました。工場内物流の自動化により部品供給の最適化を図れ、さらに全体必要作業人員を1/3にまで大幅削減することに成功。また、重量物の運搬や工場内を歩き回る必要がなくなったことで働きやすい環境が整備されたほか、ヒューマンエラーによる部品の取違いがなくなったことで製造品質も向上しました。
※参照元:Mujin公式サイト/アイシン様と工場内物流完全自動化を実現
https://www.mujin.co.jp/news/7074/