パレタイザーのQ&A
操作・仕様に関するQ&A
専用機とロボットの差は?
パレタイザー専用機はパレタイジング作業に特化しているため、汎用性はありません。ただ、操作性に関しては扱いやすく、大量生産に向いています。ロボットの場合、ある程度の再プログラミングや多用途な作業が可能です。一方で、特定の作業の性能に関しては専用機のほうが優れており、その分費用も高額になります。専用機によっては、ロボットが内蔵されているものもあります。
どんな製品が対象か
パレタイザーが扱える製品は、肥料をはじめ、飼料や食料品、段ボール、ボトルケース、建材など、小物から重量のあるものまで様々です。またパレタイザーにも、省スペースで導入できるコンパクトなものから、重量がかなりある製品のパレタイジングに適したものまで幅広く存在します。メーカーによってサイズや機能が異なるため、条件や目的にあったものを選んでください。
動きや形は条件に合っているか?形状・種類から選ぶパレタイザー
省スペースでの導入を考えるなら!設置スペースで選ぶパレタイザー
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ティーチングの簡略化は可能か
パレタイザーの役割は、取得した製品をパレット上の決められた配置に積み付ける作業を担うことです。パレタイザーを動かすには取得する荷物や設置場所の位置情報を入力する必要があり、このティーチングを手動で行うのはかなりの手間がかかります。
そのため、パレタイザーを使用する際は、パレタイザーの「決められた位置から決められた位置へと運ぶ」という特性を生かして、ティーチングの簡略化を図るのが一般的です。たとえばパレット上に縦30個×横30個の配置で製品を積み付ける場合、隣り合う3つの箱の位置情報を入力し、あとはその位置差分をオフセットさせることで、パレタイザーがすべての箱の位置を自動で計算できます。
回転関節と直動関節の違い
ロボットアームは人間の体で言うところの関節(ジョイント)と骨(リンク)の組み合わせで形成されており、ジョイントには大きく分けて「回転関節」と「直動関節」の2つがあります。
回転関節は「ねじり関節」とも呼ばれ、リンクが軸心で回転するのが特徴です。たとえるなら、ドアについた蝶番をイメージすると分かりやすいかもしれません。もう一方の直動関節は、リンクを回転させずに軸心の方向に収縮できるのが特徴で、突っ張り棒や伸縮できる物干し竿のような構造になっています。
パレタイジングロボットに起こりやすいミスは?
パレタイジングロボットが起こすミスとして、「製品の取り落とし」があげられます。特に小さな物や軽い物、滑る物を掴んで運ぶ際に落とすことが多く、物の形状によっては100個中数個以上を取り落としてしまうケースもあるとのこと。取り落としによって数量不足が発生する可能性があるため、落下物を検知するセンサーやレーザースキャナの設置といった対策が求められます。
ハンドごとの適した製品は?
パレタイザーにはさまざまな種類のハンドがあり、ハンドを付け替えることで製品の形状や特徴に適した積み付けを行えます。
たとえば把持ハンドは人の指のようにワークを挟んで掴む仕様になっており、2本爪・3本爪・4本爪などのタイプを用意。ワークの大きさや硬さなどに合わせて爪の本数や種類を変えることで、さまざまな形状や素材に対応できます。ただし、柔らかい素材ですと掴む過程で傷がつく可能性があるため、製品になったときに見えない面を掴むといった動作方向の検討が必要です。
磁性のある金属製品をスピーディーに運搬したい場合は、磁力パッドを取り付けた吸着ハンドが適しています。ただし、一部のステンレス鋼やアルミ、銅などの非鉄金属のワークを持ち上げることはできません。また、真空パッドを取り付けた吸着ハンドはワークを持ち上げるのに真空状態を作り出す必要があるため、穴のあるワークの運搬には不向きです。
パレタイザーを導入して作業の効率アップを図るのであれば、製品に適したハンドを選定する必要があります。
パレタイザーの類似製品はある?
パレタイザーの類似製品としてパレット上にある荷物をばらしたり下ろしたりする「デパレタイザー」があります。
また重量物を持ち上げて搬送効率を上げるという意味では従業員の動きを補助するアシストスーツや、ワークを吊り上げて保持する電動バランサなども似ているでしょう。
その他、パレットを積み上げる段積み機や自動走行でワークを運ぶAGVもあります。
費用に関するQ&A
ロボットシステム構築にかかる費用内訳は?
パレタイジングロボットのシステム構築には、主に次のような費用がかかります。
- ロボット本体の費用
- ロボット関連機器(ハンド・架台など)の費用
- ロボット周辺機器(コンベア・センサー・安全柵など)の費用
- システム開発・運用費用
- ロボットを取り扱うためのトレーニングにかかる費用
- メンテナンス費用など
ロボットシステムに複雑な制御を求めると費用がどんどん高額になってしまうため、費用を抑えるなら人手で対応する範囲を広げる必要があります。予算と照らし合わせながら、どこまでをロボット化するのか慎重に検討しましょう。
活用できる補助金はある?
パレタイザーを導入するにあたって活用できる補助金には、「ものづくり補助金」と「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」があります。
ものづくり補助金(正式名称:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は中小企業庁が実施している補助金の1つで、設備投資を行う中小企業や個人事業主などが対象です。応募申請書を提出して審査に通らないといけませんが、採択されると一般型で最大1,000万円、グローバル展開型で最大3,000万円の補助金を受け取れます。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業は東京版ものづくり助成金で、東京都中小企業振興公社が行っている事業です。大型設備投資を検討している都内の中小企業が対象となり、助成限度額が3,000万~1億円と高額なのが魅力。ただ、中小企業庁が行っているものづくり補助金と違って、書類審査のほかに面接審査にも通る必要があります。
どちらの補助金も年に複数回のスケジュールで公募をかけているため、詳しくは公式HPをご確認ください。
※参照元:ものづくり補助金総合サイト(https://portal.monodukuri-hojo.jp/)
※参照元:東京都中小企業振興公社(https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/setsubijosei/yakushin.html)
安全性に関するQ&A
作業時の安全は担保されている?
作業時の安全を担保するために、労働安全衛生法で自動運転中はロボットとの可動範囲内に作業員を立ち入らせないことが大原則として規定されています。
事業者が取るべき安全対策のための措置としては、作業員の侵入を防止する安全柵の設置や柵の出入口が開口するとロボットの動作が停止するインターロック付き扉の設置、自動運転中や教示作業中などロボットの状態がすぐ分かるように表示させることなどがあげられます。
ロボット操作時に起こりやすい事故ポイントは?
自動運転中はロボットと人を隔離することが大原則になっていますが、トラブルの復旧作業やシステムの立ち上げ作業のときは運転中のロボットの可動範囲内に立ち入らなければいけません。産業用ロボットによる人身事故はこれらの作業中に発生しているため、危険性を伴う作業と認識して取り組む必要があります。
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おすすめパレタイザー3選
生産現場や物流センターで自動化が進む中、ロボットパレタイザーの導入は効率化の鍵となります。しかし、導入において、どの工程でどの程度の生産性向上が期待できるかを具体的に確認することが重要です。そこで、生産性向上の観点でおすすめのロボットパレタイザーを3つご紹介します。
機器1つで最大5人分の労働力(※)
荷積みの生産性を安定させる
パレタイジングロボット
PA-20/PA-40/PA-50
(メーカー:ユーシン精機)
特徴
- 最大1時間500個の運搬力。四方向すべてにパレット搬送路が設置が可能で、生産効率の良い配置を実現。
- 誰にでも操作しやすい機能性の高いコントローラ。位置補正機能もあり、ワンタッチでパターン変更も可能
少種・大量生産のライン
コンベア全体の生産性向上
フジエース
袋用
(メーカー:不二技研工業)
特徴
- 米国ベーカリー規格に準じ、大手製粉メーカーの基準を満たす袋用の機械式パレタイザー。
- 国内外で1600台の納入実績があり、400台が稼働中。(2021年9月公式HP確認時点)
過酷な環境でも耐えうる
防塵・防滴の安定した稼働
MOTOMAN-HC30PL
6軸垂直多関節
(メーカー:安川電機)
特徴
- 防じん・防滴仕様で、塵や埃、液体への対環境性を考慮した半導体や医薬品の製造現場におすすめ。
- 6軸垂直多関節ロボットで作業範囲が広いため、どんな高さのパレットにも対応できるのが特徴。