処理能力の考え方
処理能力の考え方
処理能力とは
パレタイザーのスペックを見ていると、処理能力という用語がよく出てきます。パレタイザーの性能の中でも重要な項目の一つで、導入を判断する上では正しい理解が必要です。
処理能力とは、パレタイザーが1つのワークを処理する単位です。このサイクルが一定時間内(1時間や1分間など)に行われる回数が多いほど、ロボットの処理能力は高いということになります。
処理能力はサイクル速度や処理速度(スピード)など呼ばれることもあり、公式サイトやカタログなどでは1分単位、1時間単位などで記載されるのが一般的です。ただ、公式サイトの数値は、速度のレベル、積み方のパターン、積載物の質量などによっても変わってきます。
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処理能力が高いパレタイザーは?
機械式パレタイザーとロボット式パレタイザーを比較した場合、処理能力が高いとされているのは機械式パレタイザーです。理由としては、機械式パレタイザーは一度に多くの荷物を積み付けることができ、パレットに積む時間とフェイスを組む時間が重なった時間分を短縮可能なためです。
ロボット式パレタイザーの場合は、アームの往復動作があるため、荷物を積む速度がロボットの往復サイクルに依存します。ロボットのハンドで2個取りしたとしても、1往復で処理できるのは2個程度です。処理能力を高くしようとアームの速度を上げすぎた場合、製品に損傷を与えたり、ハンドから荷物が飛び抜けたりする事故につながりかねません。
ただし、機械式パレタイザーは設置スペースを多く必要とすることが多いため、会社によっては設置が難しいのがデメリットになります。
処理能力が高い機種を選ぶのが良いとは限らない
処理能力が高ければ、それだけ多くの荷物を短時間でさばくことができるわけですが、かといって処理能力が高い機種を優先して選べばいいというわけでもありません。生産や物流の川上部分が処理能力に対応できていなければ、オーバースペックになり、導入コストが上がります。
大切なのは目標設定です。人手で処理していた場合はどのぐらいの時間でどれだけの荷物をさばけていたのかを検証するとともに、パレタイザー導入によってどれだけ生産性を上げるのかを見極める必要があります。この目標を達成できる機種なら、わざわざ処理能力が高く、価格の高いものを選ばなくてもいいのです。
また、その目的の内容も明確にしておくべきでしょう。庫内従業員の身体的負担を軽減するのが主目的で、扱う荷物が変わらないのであれば、高い処理能力にこだわる必要はありません。逆に生産量を大きくしていく方針なら、高価でも処理能力に余裕のある機種を導入しておくべきです。いずれにしてもメーカー(ベンダー)によく相談し、慎重に見極めることが重要です。
各社の処理能力の例
- YUSHIN(旧:ユーシン精機)・・・機種名:PAシリーズ(省スペース&フリーアクセス)PA20 処理能力:1分当たり7個、1時間当たり420個
- Mujin・・・機種名:MujinRobot パレタイザー 処理能力:1時間最大500ケース
- PSS・・・機種名:極省スペースパレタイザー 処理能力:重さ20㎏で毎分5個
- 不二越・・・機種名:高速パレタイジングロボットLPシリーズ 処理能力:130㎏搬送時で毎時1800袋
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生産現場や物流センターで自動化が進む中、ロボットパレタイザーの導入は効率化の鍵となります。しかし、導入において、どの工程でどの程度の生産性向上が期待できるかを具体的に確認することが重要です。そこで、生産性向上の観点でおすすめのロボットパレタイザーを3つご紹介します。
機器1つで最大5人分の労働力(※)
荷積みの生産性を安定させる
パレタイジングロボット
PA-20/PA-40/PA-50
(メーカー:YUSHIN(旧:ユーシン精機))

(https://www.ype.co.jp/product/detail/pa.html)
特徴
- 最大1時間500個の運搬力。四方向すべてにパレット搬送路が設置が可能で、生産効率の良い配置を実現。
- 誰にでも操作しやすい機能性の高いコントローラ。位置補正機能もあり、ワンタッチでパターン変更も可能
少種・大量生産のライン
コンベア全体の生産性向上
フジエース
袋用
(メーカー:不二技研工業)

(https://fujigiken.racms.jp/paretaiza/)
特徴
- 米国ベーカリー規格に準じ、大手製粉メーカーの基準を満たす袋用の機械式パレタイザー。
- 国内外で1600台の納入実績があり、400台が稼働中。(2021年9月公式HP確認時点)
過酷な環境でも耐えうる
防塵・防滴の安定した稼働
MOTOMAN-HC30PL
6軸垂直多関節
(メーカー:安川電機)

(https://www.e-mechatronics.com/product/robot/palletizing/lineup/hc30pl/spec.html)
特徴
- 防じん・防滴仕様で、塵や埃、液体への対環境性を考慮した半導体や医薬品の製造現場におすすめ。
- 6軸垂直多関節ロボットで作業範囲が広いため、どんな高さのパレットにも対応できるのが特徴。